Misaki Kodama

「見えないものを可視化するプロジェクト」では沖縄戦の戦没者数、風、音などを媒体に表現。個展「 物語の中の風景2014」では記憶の中の風景をテーマに発表。その他展覧会「「アジアファイバーアート展(マレーシア2019)」や韓国、台湾、モンゴル、などで発表。2011年より沖縄うるま市に「Studio YAKENA1129」にて制作・発表を行う。

個展
  • 2014年 物語の中の風景(沖縄県立美術館県民ギャラリー1/沖縄)
グループ展 
  • 2022年 混炒黒潮 -2022- 台湾沖縄交流展 VT Artsalon(台北)
  • 2021年 沖縄・済州・台湾平和美術交流展(台北/VT)
  • 2020年 沖縄アジア国際平和芸術祭 AUF展31回(京都市立美術館)
  • 2019年 願成寺古墳群展(池田町/岐阜)
         アジアファイバーアート展(マレーシア)
         うるまシマダカラ芸術祭(沖縄/平安座・浜比嘉・伊計・宮城島)
  • 2018年 沖縄 台湾 現代美術展(台湾)
         AUF展 29回(福岡アジア美術館7F)
         沖縄 済州 平和美術展(済州/韓国)
  • 2017年 島嶼詩學 台湾 沖縄交流展(屏東/台湾)
         Painting and beyond…(台湾師範大学 Dギャラリー)
  • 2015年 Steppe & Ocean モンゴル 沖縄交流展(モンゴル)
ステートメント

たゆたう ~ あなたが見ていた風景を誰かが見ていたかもしれない ~

ガーブ川の向こう側から淡黄色の木造らしき建物を眺めていた。その建物が鉄工場だと近所の人の話を聞いて知る。木製の重い扉が開くと同時に、工場に充満する空気が肺を伝った。昔、嗅いだ匂いだった。祖父は生前、鉄工所を営んでいた。戦後がむしゃらに生き抜いたあの世代が纏う匂い(空気)だ。

メイン通りから脇道へ入ると一気に生活空間が広がる。戦前から残るムイ(森)や商業ビル、ホテル、お墓が緩やかな境界線を保ちながら混在し、戦後の那覇を象徴するような混沌とした風景だ。潮の満ち引きに合わせて流れるガーブ川は、呼吸しているようだ。水面に映る川沿いの風景とともに移ろい、たゆたう。