Linda Havenstein

リンダ・ハーヴェンシュタインは、言語、サイン、シンボルなどがどのように現実の認識を形成するかを扱う、学際的なアーティストである。動画をはじめ、インスタレーション、彫刻、絵画、バーチャル・コンテンツなどを手がけ、アナログとデジタルをひとつの作品に統合する作品などを発表している。近年では、概念の持つ意味を歪め、変化させるためにコードや暗号を使用することや、新しい解釈を確立するために新しい形式の解読やデコードを適用する(復号化する)ことに焦点をあてている。

ステートメント

私の作品の多くは、サイトスペシフィックで、展示するロケーションの文脈に反応するものです。このプロジェクトでは、文化的・芸術的実践を生活環境の中に、そして通常アートが展開されないような場所に埋め込むことを強く強調しており、私は自分のアプローチが適していると考えました。私は以前、那覇に住んでいて、まち中や沖縄県内でのアートプロジェクトに参加したことがあります。

私のペインティングシリーズ「mixed signals」のプリントを、那覇市内の意外な場所に展示します。これらのペインティングを、私の作った拡張現実アプリ「Kassandra」(アプリストアやプレイストアでダウンロード可能)で写すと、ペインティングに埋め込まれたバイナリーコードを解読するデジタルスカルプチャーが表示されます。そうすることで、来場者はいつもと違う場所でアートに出会うだけでなく、よく知っているはずの(アナログの)都市環境にデジタルアートが埋め込まれていることに気がつくでしょう。

これらの作品は、私たちのデジタルな生活と物理的な生活の間のダイナミクスを調べるために考案されているため、私たちの生活環境の変化とそれに伴うチャンスや境界線について考える機会を提供してくれます。

また「mixed signals」は、地元の魚屋の店主が水上店舗の階段に配置したアート作品と融合したユニークな環境で展示され、様々な時代の作品と現代アートを同時にご覧いただけます。

ART NAHA / Cross Border プロジェクトについて

沖縄から海外へ、海外から沖縄へ。境界線を越えて「対話」することをテーマに、上映プログラムやインスタレーションなどの作品を展示する。本プロジェクトでは、沖縄の歴史や文化など根底に触れる上映プログラムとこれまでに沖縄との関わりがある海外拠点のアーティストの展示で構成される。