Hiromi Tsuha

南城市出身。1996年渡英。99年から写真を学ぶ。06年ロンドン芸術大学プリントメイキング科進学、07年同大学院修了。「ワナキオ2008」に参加し、南城市で廃屋を使った作品を展示。モンゴル、タイなどで滞在制作をするなど、移動や現地との関わり、生活空間を写真やオブジェ、インスタレーション、サイトスペシフィックで表現。19年に帰国し、現在は保育園でアートクラスを担当。創造力を育みながら世界とつながる喜びを伝えることにも力を注ぐ。

主な展示会(抜粋)
  •  2006年 Deptford X , APT gallery, ロンドン 
  • 2008年 wanakio 08 , 沖縄 2011年 Photo Ireland festival, mad art gallery, ダブリン 
  • 2014年 Tracing my echo, Zweigstelle gallery, ベルリン 
  • 2014年 Nuclear art talk, 一年画廊, 台湾 
  • 2016年 マブニピースプロジェクト, キャンプタルガニー、沖縄 
  • 2017年 Where is my food? , Tentacles , バンコク 
  • 2019年 Poetics of otherness, Pratt Institute, N.Y 
  • 2020年 One minute monitor project , バンコク大学, タイ 
  • 2021年 エピローグ, 旧若松薬品、沖縄 
  • 2021年 imagine展, ラット&シープ、沖縄 
  • 2021年 Soundscape Okinawa, 糸数城跡, 沖縄 
  • 2022年 This has travelled though the night to you, millimetre project, ロンドン 
レジデンシー / 滞在制作 
  • 2009年  ヴィルニス, リトアニア 
  • 2010-2011年 アングリアラスキン大学, ケンブリッジ 
  • 2015年  マスアートスタジオ、ウランバートル, モンゴル 
  • 2017年  Tentacles, バンコク, タイ
ステートメント

シグナルズ

2002年1月から3月の間、週末のほとんどを那覇歩きをして過ごしました。現在の地図と明治初期の古地図とを見比べながら街を歩いていると、古地図の海岸線にみえる三重城や、塩田に興味が湧くと同時に現在の地図との違いに驚き、この一帯の歴史の面白さに魅了されました。さらに街歩きを続けると、奥武山公園の北明治橋の案内板には、かつてガーブ川の与儀公園手前には、ケーシンダーという山原船の船着場があったと記されており、ガーブ川で船の往来があった事を初めて知ることになりました。 1816年、かの有名なバジルホールを乗せた英国の軍艦2隻が琉球の海岸に停泊しました。同行していたクリフォード大尉は琉球の子どもが描いた帆船の絵をプレゼントされています。何かプレゼントしたいという思いは友好の印だと思っているので、私はこの絵にとても惹かれました。 リサーチで何度も訪れた三重城では、近所に住むというK氏が、東南アジアなどの国々と貿易をしていた琉球の船には独自の旗があったという事を話してくれました。琉球国の印の旗、航海の無事を祈る旗、帰港を知らせる旗など、いろんな信号、サイン、思いなどを船から送っていたという事です。 今回、展示会場となる水上店舗はガーブ川の上に建てられています。昔、船の行き来があったと言われているこの場所に、子供たちや商店街の人々が思い思いに色を塗った旗を立て、船で賑わうかつての琉球の海を想起させるような作品ができたらいいなと思っています。